漆工
資料名 菊桐蒔絵中次(きくきりまきえなかつぎ)
作品解説
円筒形の薄茶器で、合口が胴の中ほどに位置するものを中次という。表面は梨子地とし、菊花文と桐文は平蒔絵に付描で表したものと、金銀の板金や螺鈿に付描を用いたものとがある。蓋裏と胴の内側は梨子地で、立ち上がりの表側面には研出蒔絵で萩と桔梗が細かく表現されている。合口は金地となっている。漆の共箱があり、蓋には「菊きり蒔絵中次」底裏には「松逸作」と落款がある。
作者情報
初代 西村松逸【1894〜1981年(明治27〜昭和56)】
1894年(明治27)金沢市生まれ。本名、松三郎。15歳頃、五十嵐随甫(1852〜1903)の弟子である近田市太郎、叔父の津田鉦一郎に師事して蒔絵を学び、塗りを独学で学び19歳で独立する。加賀蒔絵の伝統工芸を受け継ぎ、その技法を現代に伝える。茶器を中心に製作し、特に棗(なつめ)については新境地を開いた。1971年(昭和46)金沢市文化賞を受賞する。1981年(昭和56)没。

作者名

初代 西村松逸(にしむら しょういつ)

制作年
 
法量
胴径6.2高6.3