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芸術学専攻の特色
芸術における理論と実践を有機的に連携させ、美的感性と理論的思
考力の育成を教育の基本とし、具体的には以下の5つに要約できます。
(1)芸術分野の研究における専門的能力をつちかう教育
カリキュラムの根幹を担う芸術学演習は、伝統的な芸術と様々な博物館や美術館が身近にある環境を生かした実践的な演習科目で、教育・研究を、常に、実践の場との関連のなかで行うことを目的としています。アートマネジメントに関わる事柄を軸に、文化財調査、美術教育、研究発表などを実体験として学習し、京都と奈良を中心とする研修旅行では、古美術品調査の基礎を身につけます。
(2)金沢の伝統的環境を生かした工芸論
理論系の授業は、美学、美術史、工芸論の研究を基礎とし、卒業論文の執筆において集大成される学術的専門性の構築を目的としています。美学では美と芸術一般を理論的に検討し、美術史では原始・古代から現代までの日本・東洋・西洋の絵画・彫刻・工芸・建築などの諸分野を芸術学の立場から考察します。特に工芸史、および工芸論に重点をおいた教育・研究は、全国レベルでも貴重な存在です。
(3)類のない充実した実技実習
実技系の授業は、本学の実技系教員等の指導により、絵画・彫刻・工芸・デザインなどの各種実技を修得し、美的感性を養いながら、
技法や素材に対する実際的な認識を深めることを目的としています。また、文化財の修復や模写、映像やインスタレーションに関する授業なども選択できます。このような実技は、一般大学では経験できないものであり、美術系大学の芸術学専攻のなかでも内容が極めて豊富です。
(4)多彩な語学教育
語学教育にも重点をおき、英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・古文など多彩な専門語学の科目を芸術学専攻で独自に開講しています。さらに、教員による本格的な学術調査や美術展覧会見学に参加する機会もあります。
(5)芸術諸分野での活躍
卒業後は、博物館・美術館の学芸員、美術分野の学校教員をはじめ、美術評論家や報道・出版関係者として、幅広く芸術関連分野で活躍することが期待できます。特に博物館・美術館には多くの人材を送り出しています。また、大学院(修士課程・博士後期課程)へ進学し、研究者としての能力を高め、研究実績の充実に努力する道も開かれています
【卒業研究】
卒業論文の作成は、理論と実践の両面を修得してきた在学4年間の総決算として全員に課せられています。これを完成させることが人生の結節点となり、さらなる飛躍の足場をなすものととらえ、教員による懇切な個人指導を行い定期的に行う中間発表でさらに充実させます。学生個々が設定するテーマは広範囲に及び、論述を中心とした執筆を基本とします。毎年、基礎研究に基づいた、個性的で学術的レベルの高い論文が作成されています。
研究対象としては、古代ギリシャ・近・現代ヨーロッパの美学、日本の原始・古代から現代までの絵画・彫刻・工芸・建築、中国をはじめとする東アジアの造形、さらに西洋では古代から現代にいたる各国の絵画・彫刻・版画・写真・デザインなどがあげられます。研究方法も多様で、美術作品の調査研究は勿論のこと、美術展覧会の企画、伝統技法の聞き取り、文化財の模写、絵本などの作品の制作など、実践に即した研究が多く、近年は現代美術の先端的な表現にも関心が高まっています。
論文の成果は、卒業制作展においてパネルや映像資料などによる展示を行い、一般にも公開して口頭発表します。こうした論文作成の過程で修得するさまざまな学識、実践的でかつ専門的な方法、プレゼンテーションの経験は、卒業後のさまざまな場面で有効なものとなっています。 |