コミックスの刊記について
刊記とは、版元による刊行に関わる情報の記載のことで、刊行年月日、刊行者(社)などを記します。ふつう「奥付け」とも言いますが、奥付けとは元来「本の部位」に関わる用語で、「本のおしまいのほう」という意味です。本のおしまいのほうに付けられた情報はそのまま刊記だったので、単に刊記のことを「奥付け」というわけです。正確には「奥付けに刊記が有る」などという言い方をします。
刊記の情報のうち、冊子本体に刊行者(社)の無いものは存在しないと思います。が、刊行年月日は本体に記さず袖(表紙カバーの折り返し)に記すものがあります。これを袖刊記と呼んでおきます。袖刊記は、返品の際、表紙だけ変えて新本のようにして書店へ出すことが出来るから便利だが、これは基本的にインチキというものである。
[左:袖刊記 『まことちゃん』9巻]
[右:奥付け刊記 『まことちゃん』10巻]
小学館が袖刊記から奥付け刊記に変えるのは、昭和53年(1978)の後半だろう。『まことちゃん』の初版のうち、第9巻(昭和53年10月15日初版第1刷発行)は袖刊記、第10巻(昭和53年12月15日初版第1刷発行)は奥付け刊記である。
因みに、ダイアモンドコミックス(コダマプレス)は奥付け貼り刊記、コンパクトコミックス(集英社)やキングコミックス(少年画報社)は奥付け刊記。などと、袖刊記は最初は無かったようです。きっとだれか(?)が袖刊記を発明するのでしょう。朝日ソノラマのサンコミックスは、始めは奥付け刊記なのに、後に袖刊記になります。
コマ番号/「おろち」(姉妹)の例
左は『少年サンデー』1969年26(6/25日)号。右は秋田書店サンデーコミックス『おろち』第1巻。サンデーのコマ番号は、デーコミでは消えている。7コマ目はベタ、9コマ目はベタに近い線で上手に消えているが、6コマ目は消したあとがはっきり分る。
画中の原稿番号/「おろち」(鍵)の例
左は『少年サンデー』1970年2(1/4日)号の最終16頁目のコマ。右は秋田書店サンデーコミックス『おろち』第2巻。原稿番号は、目立たないようにノド(綴じ目)に付けられることが多いのかと思う。デーコミでは「16」の数字の部分、不自然な処理の仕方になっている。
画外の原稿番号/「まことちゃん」の例
なんで最初っからこうしなかったのか、という感じですね。僕の確認したところ、『少年サンデー』1977年5・6合併号(1/30、2/6日)号では、楳図以外の作品(男どアホウ甲子園やおれは直角や)には原稿番号が有るに、「まことちゃん」には無い。1977年32号(8/7日)には有る(画像左/「8」と見える)。単行本(SSCなら7巻62頁)では消されている。
この方式が現在まで続く。
因みに、「モン太くん」は、1961年頃以来の、息の長い楳図キャラクター。