出品者詳細
青木千絵 / 荒木恵信 / 池田晶一 / 石田陽介 / 岩崎純 / 大高亨 / 大森啓 / 神谷佳男 / 河口龍夫 / 佐藤一郎 / 佐藤俊介 / 芝山昌也 / 高橋治希 / 田中信行 / 土井宏二 / 中瀬康志 / 仁志出龍司 / 松崎十朗 / 橋本真之 / 浜田周 / 林泰史 / 原智 / 前田昌彦 / 真鍋淳朗 / 三浦賢治 / 宮永春香 / 藪内公美 / 山村慎哉 / 山本健史 / よしだぎょうこ
青木千絵
BODY16
漆造形による人体表現をテーマに作品制作を行っています。漆の伝統的技法である乾漆技法と人体という普遍的な課題を融合させ、人間の哀しみや存在に焦点を当てて新たな表現の可能性を探求してきました。
出品作品は、まるで人間が天に繋がり昇華していくイメージです。
荒木恵信
光の先へ
偶然出会った風景と、そこからイメージされた図様を合わせて表現しました。この風景には、カンボジアで出会いました。土がむき出しの地面が多い国でした。
土を踏みしめて生きる人々をみて、自身の足元を振り返りました。自転車が遠い誰かを待っているようでした。
池田晶一
一本の線から生じる形
作品は磁器による器です。3Dプリンタを用いて細かな凹凸のある形を作り、その特徴ある表面を生かし装飾を施しました。IT機器を用いた整然としたパターンと、手業を用いた曖昧さの両面を作品の表面に作り出してみました。
石田陽介
scent of sakura
彫刻は「触覚の芸術」と言われることがあるが、私は「五感の芸術」と捉えている。豊かな色彩、風の音、木々の香り…。作品に込めた想いが鑑賞者の五感に届きますように。
岩崎純
風積
物象の反復とマチエールによって、平面の中に拡大していく自意識を抑制しながら素材とのせめぎ合いと痕跡により画面を構築していく。
それは常につきまとう「私」という意識からの解放であり、また潜在意識を掘り下げていく作業でもある。
大高亨
長町の石垣 犀川 長町の庭
デジタル紋織による作品です。
「水の町金沢」のイメージを、「水の水面に金沢の町がたゆたう」表現としました。
織物の、経糸と緯糸が複雑に交差することでしか造り出せない繊細で複雑な凹凸表現と、様々なテクスチュアや視覚変化を生み出すことを目的に、糸素材と織技術を駆使した作品です。
大森啓
Landscape
目下、制作に於ける第一義のテーマは、絵画空間のダイナミズムを最大限に引き出し、その仕組みや可能性を探ることにある。
専ら造形的なアプローチだが、それでも時代の空気感の影響は免れない。
このところ、画面はますます暗くなっていく。
神谷佳男
Sans Titre 1
植物の葉の形状を利用し、筆で描くように油性インクをのせて制作した。一連のモノタイプ作品を制作していたものの1点である。
河口龍夫
ペブルツール (旧石器時代の石器) と蓮の種子
旧石器時代の石器であるペブルツールにもの造りの起源を見出し、理解し接近するために現在の技法である鋳造技術によってブロンズに変換させ、
そのブロンズになった石に発芽の可能性を持った蓮の種子を銅線によって結び付け関係づけた作品である。
佐藤一郎
「自画像」
自宅の洗面所の鏡を見ながら、筆を動かし、描いてみた。久方ぶりに、自分の顔を観察することになった。
パリ・ノートルダム寺院
藤田嗣治のアトリエ、黒田清輝のグレーを訪ねた旅行で、セーヌ河畔の夕暮れを味わいながら、ノートルダム寺院を眺めた。
佐藤俊介
王様を笑う少年
一体いつからこんなに言いたい事が言えない世の中になったのでしょう?
誰もが何かになりたがっている時代なのかもしれませんがモデルとなった奔放で屈託のない少年を見ていると私もそんな場所から降りてしまいたい衝動に駆られます。
芝山昌也
ツカ
この作品には、美しい自然に囲まれた山間部の集落で、冬を越せずに潰れた家屋の廃材を使っています。
私なりの彫刻の作法で、日本の現実を考えながら記憶していくことを考えています。
高橋治希
甘雨 2016-2
「私は雨が好きである。」色々ある雨の中で、柔らかく降り注いで草木を育ててくれる「甘雨」は、特に好きな雨である。
この作品は、その甘い雨が地表に染み入る表情を、ガラスと草木をモチーフとした陶磁器で表現したものである。
田中信行
Imaginary Skin
「Imaginary Skin」は、漆の艶かしくも力強い自然素材としての物質感に、喚起される有機的なかたちと皮膚感を生かした乾漆による壁面作品である。
漆には、生命の根源や生成に関わる原初的な記憶を呼び起こす力があると感じている。出品作品は、私が感じているこのような漆の魅力を表現したシリーズの一つである。
土井宏二
航跡雲
2015年制作の本作は、同年金沢彫刻祭2015に出展の“望郷”と同時期に制作した作品です。小松空港に近い金沢上空は、各地と行き来する飛行機の軌跡がよく見られます。
旅行く人達の思いや人のふるさとを想う気持ちをシンプルな直線的造形で表現しました。
中瀬康志
消える方法を巡って#521-山の山
消える方法を巡って#522-巣の山
近年、シリーズで制作を続けている小品2点による構成。
仁志出龍司
38フランの命
フランは当時の通貨でフランスフランです。南仏にあるAix-en-Provenceの市場で食用に売られていた野兎。僕のイメージより値段で吊るされていて驚きました
命の値段・・・
松崎十朗
海へ続く道
神奈川県の逗子海岸に取材しました。コンクリートのトンネルをぬけた向こうには銀色に輝く海がはてしなく広がっていました。銀箔と黒箔を使ってその時の印象を描きまた。
橋本真之
発生期の頃
作品展開の始まり。造形的バランスを保ち得た状態の最初の展示。
浜田 周
CROWN
人が誰でも一つは持っているであろう、他人に「誇れるもの」「自慢できるもの」を形にした。
それはいったいどの様なものなのか…見つめ直し、様々な事を発見し得るきっかけになる事を願う。
林 泰史
震動の行跡
共振をテーマに制作した。
互いに響き合うとき、そのエネルギーとベクトルのせめぎ合いに関心を持つ。
原 智
魚々子象嵌花器「蜻蛉」
鉄胎、金銀象嵌を施した花器です。線と点によって現した文様と蜻蛉は観照者の視点移動で表情を変えます。黄金比から抽出した螺旋を複数交差することにより構成の根源としました。
蜻蛉に施された繊細な象嵌は作品を特徴付け、文様との対比により豊かな表情を魅せています。
前田昌彦
いざない - 帰還
世界の各地で紛争が起こっているこの時代にも帰還兵を待つ家族がいる。色彩を失って石化したカサブランカはこの不条理な世界を代弁している。
この世界は虚無なのか・・。否、その静かなアンバランスな世界にも一種の危ういリリシズムは存在する。
真鍋淳朗
境界域問屋町2012
問屋まちスタジオで開催された「問×美」展に展示した作品です。問屋町の企業から提供された素材をアサンブラージュした作品で、
素材を通常の使われ方とは異なったものに変容させて、その場でしか成立しえないサイトスペシフィックな作品をめざしました。
三浦賢治
或る日の情景
裸婦の姿に夜明けの風景を重ね合わせ、或る種の希望への想いを描こうとした。
宮永春香
FEITICO -Totality in details –
FEITICOは編み物により制作した陶磁器の作品です。ポルトガル語のfeitiço(護符)という言葉があります。織り重ねる紐と紐によって成り立つ形象、そこに護符との共通項を感じています。
藪内公美
存在の畢竟
物質存在の成り立ちを、異なる性質を持つ個の元素である種々の金属を通して表現する。湯床吹きや金属を叩き打ち延ばしていく行為を経て金属を分子から捉えなおし、
金属そのものの美しさと人為の形相を、あるイメージとして提示する。
山村慎哉
唐草紋卵殻尻張小合子
檜材の刳物素地に本堅地し、銀線、卵殻(鶏卵)、乾漆粉、色漆などを使い伝統的な文様である唐草文を加飾としている。内側は梨地仕上げで大切なもの入れる漆の小箱として制作した。
山本健史
糸瓜 luffa
糸瓜の繊維に土を染み込ませ焼成を経ることで、元あった糸瓜は無体物となる。染み込んだ土は陶となるが、それは糸瓜が有体物だった時とは違った意味を帯びる。
その物体が語りかけてくる声を手掛かりに、私は物語を語りはじめようと思う。
よしだぎょうこ
PAINTING/PATTERN
1995年から現代美術の分野で活動し、日本の絵画の構造を欧米とは異なる東アジア独自のものとした多様な形式の作品を、北京・インド・ニューヨーク・ロンドンなど、国内外を問わず発表してきました。
この作品は、北京・藝術地区798 BTAP「新・朦朧主義」展で昨年発表した作品と同じ生地を使用したもので、古典文様を、原形を留めぬほど重ねた図案で金型を作成し染めています。絵画/様式の境界を問うたコンセプチャルアートワークです。