金沢美術工芸大学は終戦後間もない1946年(昭和21年)11月7日に金沢美術工芸専門学校として開校しました。以来、70年にわたり学士、修士、博士あわせて約8500人の人材を社会に輩出してきました。この間、本学は専門学校から短大を経て4年制大学へと成長するとともに、大学院や芸術学専攻を設置するなど、絶えず時代の要請に応えながら、金沢というまちの歴史と環境に根ざした美術・工芸・デザインの教育研究拠点として果敢に変化と挑戦を続けてきました。そして現在は、近い将来の新キャンパスへの移転を見据え、多くの方々のご支援とご協力を得ながらあるべき美大の姿を描き、形づくる営為に力を注いでいるところです。
本展覧会では、本学がこれまで収集してきた約5000点の貴重な作品の中から、主に美術と工芸分野の作品を中心に幅広く出品し、本学の70年のあゆみを「草創期」、「拡大期」、「多角期」、「成熟期から未来へ」の4章仕立てでご紹介いたします。このうち第4章では、美大の未来を眼差す美術科と工芸科の現職教員の作品も一堂にご覧いただけます。
学内の展示施設が十全ではないため、市民のみなさまには所蔵作品を気軽にご覧にいただく機会を持てずにおりましたが、幸いにも開学70年の節目の年に過去最大規模の所蔵作品展として本展を開催することが叶いました。会場にて本学がこれまで積み重ねてきた歴史を、多くの優れた作品を通して体感していただければ幸いです。
なお、本展では出来る限り多くの作品を展示するよう努めましたが、未だ多くの作品をご紹介できずにあります。この点につきましては、今後もさまざまな機会を通じて公開に努めて参る所存であります。
最後となりましたが、70年の長きにわたる市民のみなさまのご支援とご理解に改めて厚く御礼申し上げます。
金沢美術工芸大学 学長 前田昌彦
*ここでは、所蔵作品展会場内でご覧いただける現職教員の展示作品をご紹介いたします。
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