令和8年度 ホリスティックデザイン専攻 入試合格作品
採点・評価基準
実技試験(デッサン)
提示されたモチーフと条件に基づいて、造形要素(形、質感、立体感、構成力等)を表現する力。
実技試験(色彩構成)
提示されたテーマに対して理解し、独創的な発想をする力。構成力と色彩感覚を表現する力。
実技試験(立体構成)
提示された問題内容を読み解く力。独創的な発想をする力。考えを立体造形として表現する力。
実技試験
デッサン
試験時間/4時間
【問題】
三面図から読み取った立体(材質はアルミニウムを想定)を、配布されたモチーフ(人形)と自由に組み合わせ描写しなさい。
<用紙> サンフラワーペーパー(M画) 四つ切り
アクロバティックなキューピー人形の動きが魅力の作品です。想定モチーフの再現性が高く、画面構成もよく練られています。キューピーの鏡像が曲面の形状を丁寧に捉え、与えられた課題の中で破綻のない見せ場を構築しています。見せどころを的確に押さえており、物語性がうまく取り入れられています。
モチーフと図面から読み取る造形を的確に捉え、丁寧に描かれた魅力的な作品です。
図面から読み取った立体物の形状の正確性、キューピー人形とのサイズ関係については改善の余地がある一方、モチーフの形状を活かし、包み込むような空間をつくることで、空間的な奥行きを感じさせることに成功しています。
他とは異なる独創的なアプローチが印象的ですが、立体物の全体像が描画されていない点については評価が分かれるところです。一方で、安定感のあるシンメトリー構図の中で、顔周辺の反射や影の扱い、視線を巧みに誘導する画面の濃淡の設計など、見どころの多い作品となっています。
三面図から立体を読み取り、アルミニウムの硬質な質感や光の反射を的確に表現できています。人形との組み合わせによる構成にも動きと緊張感があり、素材の対比も明快で、課題意図をよく捉えた完成度の高いデッサンです。
実技試験
色彩構成
試験時間/3.5時間
【問題】
「海」から発想を広げ、多様な記憶 * にある美を表現しなさい。 作品を見る人に向けたメッセージを、メッセージ用紙に35文字以内で書き、ボード裏面中央に貼りなさい。 * 「多様な記憶」とは、個人の記憶、生物としての記憶など
<用紙> KMKケントボード(白、A3)
痛い、冷たい、などの触覚を通した記憶が、大胆な画面構成と効果的にコントロールされた色彩設計によって絶妙なバランスで成立しています。未熟さを残しつつもそれが魅力になっていく造形的な工夫が、今後の成長を期待させてくれます。
これまでに培われた興味と技術的修練が反映されており、限られた色使いでありながら、平面作品として高い統一感と完成度をあわせ持つ作品で、物語性も感じられます。
ジンベイザメの表現が、記憶のフィルターを通して絶妙に抽象化されており、無彩色の引き算と、テクスチャーの足し算、差し色の効果が秀逸な作品です。
メッセージからも詩的な物語を感じさせてくれました。
美しい色使いとコントロールされた曲線の集合が印象的で、抽象表現を突き詰めることで、鑑賞者に想像の余地を与えている作品です。一方で、条件理解にはやや無理が見られます。
実技試験
立体構成
試験時間/3.5時間
【問題】
テーマ:「今にも動き出しそうなかたち」 与えられた材料「ケント紙」を⽤いて「コマ」を⽀える造形物を作り、それらで空間を構成しなさい。どのような空間を意図したかを説明用紙に100⽂字以内で書きなさい。
<材料> KMKケント #200 四つ切り、台紙用段ボール(A3、5㎜厚) 等
直線的な正四面体の上を、稲妻のような鋭い軌跡で行き来する独楽の動きがよく表現されています。シンプルな構成だからこそ、独楽と紐の動きや関係がはっきり伝わり、きれいなリズムを感じる作品になっています。
独楽の回転によって生まれる空気の流れを、立体として見せている点がとても面白いです。目に見えない動きを形にすることで、独楽の魅力や日本らしさがしっかりと伝わる作品になっています。
水のベールをイメージした二層の構成が美しく、光や影の変化まで感じられる作品です。独楽の動きによって空間全体がゆらぐような表現が印象的で、やわらかく広がりのある世界観が魅力です。
円弧の形を使って、風によって再び回り出す独楽の様子をやさしく表現しています。紙のしなやかな曲線が力強さと軽やかさを同時に感じさせ、春らしい明るく楽しい空間が伝わってきます。
