大学院
修士課程
Master's Programs

美のなかに真、技のなかに智、学のなかに人あり
大学院修士課程は、博士前期課程としても位置づけられており、「広い視野に立って精深な学識を授け、芸術の各分野における創造、表現もしくは研究能力または芸術に関する職業等に必要な高度な能力を養う」ことを目的としています。学部での研究・制作を基礎とし、さらに専門分野・専門領域のより高度な研究・制作を自らの研究テーマに沿って行います。博士後期課程において求められる学識や能力の形成も視野に入れ、語学・論文作成能力の育成にも配慮したカリキュラムが編成されています。1979年の大学院修士課程設置以来、他大学出身者や外国人留学生も多く在籍し、自由で開かれた制作・研究の場となっています。
トピックス
専攻紹介
絵画専攻
日本画コース・油画コース・映像コースの3つの研究分野があります。「日本画制作」、「油画制作」、「映像制作」等の実技演習を中心にすえ、一方で、「絵画特論」、「映像特論」をはじめとして、「美術史特講(日本、東洋、西洋)」や「美学・芸術学特講」など理論面でも充実しています。絵画・映像の理論および技術をより専門的に探究するとともに、今日の表現にも目を向け、自由な発想のもと多様化する美術の展開に対応しています。
工芸専攻
陶磁、漆・木工、金工、染織の4コースがあり、金工と染織はさらに2分野に分かれ、6専門分野で構成されています。恵まれた環境のもと、技術的、造形的に、高度な研究ができるよう配慮されています。実技・演習に重点を置きつつ、理論的造形思考を高めるために「工芸特論」、「地域文化論」をはじめとして10理論科目が開講されています。常に伝統と現代を追求すること、素材に対する新たな挑戦が期待されています。
彫刻専攻
彫刻コースでは、塑像、木彫、石彫、金属彫刻を、環境彫刻コースでは、インスタレーション、コンセプチュアルな創造、ジャンルを横断した造形に対応する制作を行っています。理論科目では、都市空間、公共空間、自然空間の中での立体造形について考察し、多様化する現代美術の展開についても思考を重ねています。伝統的表現技法を追求しつつ、自由な発想のもと創造の世界を広げ個性的な作品を生み出すことを目指しています。
デザイン専攻
視覚デザイン、製品デザイン、環境デザインの3つのコースがあり、現代社会とデザインの様々なテーマに即した実践的な演習が設けられています。また研究の深化には造形の基礎と展開及び方法論が不可欠であるという認識のもと、理論科目も用意されています。博士後期課程への進学の道が開かれています。修了後は、研究者、教育者、ディレクター、デザイナーとして活躍しています。
芸術学専攻
美学、日本美術史、東洋美術史、西洋美術史、工芸史の5つの研究分野をおき、演習・特講によって専門研究を行っています。また分野にとらわれない総合的・学際的関心を育成するための「芸術学特論」、美術大学の特色を生かした技法・素材研究のための 「美術技法研究」なども設けられています。公開の研究発表を重ねながら学術的に高度なレベルの修士論文を制作し口頭発表す ることが課せられています。金沢の様々な美術館・博物館を活用した授業、国内外の実地調査、展示企画等の指導も行い、理論と 実践を兼ね備えた美術の専門の研究者の育成を目指しています。修了生は学芸員をはじめとして広く美術の分野で活躍しています。博士後期課程進学、海外留学を選ぶ学生も多くいます。