科学研究費助成事業
第3回シンポジウム
開催日:2014年12月6日(土)
会 場:金沢美術工芸大学視聴覚室(154席)
テーマ:3.同時代美術の動向と美術館―「美術」のオルナタティブをめぐって
Museum and Trends in Contemporary Art: Alternatives to ‘Bijutsu’(Art)
テーマ概要:
近代以降に構築された「美術」に関する分類は、美術それ自体の在り方の変化によっても揺さぶりをかけられている。前世紀以来、従来の分類体系を以てしては捉えきれない諸活動が、「美術」の名のもとに次々と出現して今日に至っているのだ。アヴァンギャルド、あるいは美術のオルタネイトの台頭である。同時代の、このような美術の有りようは、美術の分類を問題として浮き立たせるばかりではなく、「美術」ないしは「芸術」という基本的な分類にまでも揺さぶりをかけずにいない。これらの語に変えて「アート」という語が用いられることが多くなっているのも故なきことではないのである。このセクションでは、こうした状況が「美術」の分類に如何なる影響を与えているかを、作家とキュレーターの発言によってあぶりだすことを目指す。美術の現場と美術館の現場における分類闘争のライヴ・レポートである。
発表者:北澤憲昭〔女子美術大学・教授〕
福住廉〔美術評論家〕
白川昌生〔作家〕
加藤弘子〔東京都現代美術館・学芸員〕
植松由佳〔国立国際美術館・学芸員〕
住友文彦〔アーツ前橋・館長〕
プログラム:
10:00 前田昌彦(金沢美術工芸大学 学長)
「挨拶」
Masahiko MAEDA(Kanazawa College of Art)
Opening Address
10:10 山崎剛(金沢美術工芸大学)
「挨拶と科研共同研究の概要」
Tsuyoshi YAMAZAKI(Kanazawa College of Art)
General Outline of Kaken Joint Research Project
10:25 森仁史(金沢美術工芸大学)
「金沢シンポジウムの概要」
Hitoshi MORI(Kanazawa College of Art)
General Outline of Kanazawa Symposium
10:50 北澤憲昭(女子美術大学)
「美術におけるオルタナティヴの台頭と美術館―日本社会の事例に即して」
コメンテーター:加藤弘子(東京都現代美術館)
Noriaki KITAZAWA(Joshibi University of Art and Design)
The Emergence of Alternatives in Art and Museums —In Line with Examples in the Japanese Society
Commentator:Hiroko KATO(Museum of Contemporary Art Tokyo)
11:30 福住廉(美術評論家)
「限界芸術のアップデート」
コメンテーター:北澤憲昭(女子美術大学)
Ren FUKUZUMI(Art Critic)
Update of Marginal Art
Commentator:Noriaki KITAZAWA(Joshibi University of Art and Design)
12:10 -13:30 休憩
Break
13:30 白川昌生(作家)
「制作することについて」
コメンテーター:稲賀繁美(国際日本文化研究センター)
Yoshio SHIRAKAWA(Artist)
Regarding My Artistic Creation
Commentator:Shigemi INAGA(International Research Center for Japanese Studies)
14:10 加藤弘子(東京都現代美術館)
「東京都現代美術館における作品の分類」
コメンテーター:松原龍一(京都国立近代美術館)
Hiroko KATO(Museum of Contemporary Art Tokyo)
The Categorization of the Works at the Museum of Contemporary Art Tokyo
Commentator:Ryuichi MATSUBARA(National Museum of Modern Art, Kyoto)
14:50 -15:10 休憩
Break
15:10 植松由佳(国立国際美術館)
「日本の美術館における現代美術作品の収集、保存管理の課題」
コメンテーター:山梨絵美子(東京文化財研究所)
Yuka UEMATSU(National Museum of Art, Osaka)
Issues in the Collection and Conservation Management of Contemporary Art Works in Japan’s Art Museums
Commentator:Emiko YAMANASHI(National Research Institute for Cultural Properties, Tokyo)
15:50 住友文彦(アーツ前橋)
「鑑賞者の複数性」
コメンテーター:福住廉(美術評論家)
Fumihiko SUMITOMO(Arts Maebashi)
Plurality of the Audience
Commentator:Ren FUKUZUMI(Art Critic)
16:30 -17:30 討論
Discussion