TOPICS
本学の北村研究室がデザインした「ねかせる和ろうそく台」が2026年度グッドデザイン賞を受賞しました




〜「立てる」から「ねかせる」へ。震災を乗り越え結実した、石川県内の2企業と1大学で取り組んだ産学連携プロジェクト〜
金沢美術工芸大学(デザイン科 ホリスティックデザイン専攻)の北村研究室(ディレクター:北村賢哉教授、デザイナー:三隅玲那)がデザインを手掛け、株式会社高澤商店(石川県七尾市)、株式会社金森合金(石川県金沢市)との産学連携により開発した「ねかせる和ろうそく台」が、「2026年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞いたしました。
学生向けの賞ではなく、一般の企業・プロデザイナーと同じ基準で審査される本賞において、和ろうそくの構造的特性に着目した学生ならではの柔軟な発想と、それを伝統産業の力で高い完成度のプロダクトへ昇華させた点が、審査委員から「驚き」をもって高く評価されました。
■ 受賞対象「ねかせる和ろうそく台」の概要
明治25年(1892年)創業の能登・七尾の一本杉通りで伝統を守る株式会社高澤商店と、正徳4年(1714年)創業で加賀藩御鋳物師から300年以上続く金沢の砂型鋳造技術を受け継ぐ金森合金、そして本学北村研究室による、石川県内の2企業と1大学で取り組んだ産学連携プロジェクトです。
企業からのオファーを起点とする通常の産学連携とは異なり、学生自らが和ろうそくの特性を発見し、企業へ直接商品企画を提案するというアプローチで進行した点に大きな特徴があります。
開発期間中に発生した震災により、学生の当初の計画は中断を余儀なくされましたが、その大きな困難を乗り越え、試行錯誤を重ねた末に商品化を実現。石川県が提唱する「創造的復興」を体現する取り組みでもあります。
和ろうそく特有の「中空構造(芯が和紙とイグサで空洞になっている)」により、横に寝かせた状態でも灯芯がロウを吸い上げ、高い燃焼効率で安全に灯し続けられるという現象を発見。130年続く「立てる」という常識を「ねかせる」という新しいアプローチへ転換し、現代のライフスタイルに調和する美しい道具としてデザインしました。素材には、環境に配慮し金属の循環を支える100%リサイクルアルミを採用しています。
■ 2026年度グッドデザイン賞 審査委員による評価コメント (全文引用)
「和ろうそくが一般的なろうそくと決定的に異なるのは、和紙とイグサで形成された中空構造の芯にある。この構造による高い燃焼効率に着目し、『寝かせても燃焼が続き、芯の幅いっぱいに炎が広がる』という驚きの現象を発見し、その火を眺める為の道具として過不足なく美しい道具に昇華させた点が秀逸である。しかもこの提案が産学連携の学生が生み出したものであるという点に驚きを隠せない。伝統産業の新たな可能性を開く見事なプロダクトである。」
■ 関連リンク
・グッドデザイン賞 受賞ページ:https://www.g-mark.org/gallery/winners/35695?years=2026&winnerCategories=8ab986e5-d0bb-4c1a-966d-0d49f3f2a86c
・株式会社高澤商店:https://takazawacandle.jp/
・株式会社金森合金:https://www.kanamori1714.jp/
【本件に関するお問い合わせ先】
金沢美術工芸大学 076-262-3531
2026.10.19
